強くなりたかったわけじゃない。
頑張り屋になりたかったわけでもない。
ちゃんとできる人になりたかったわけでもない。
ただ——
怖かっただけなんだと思う。
嫌われるのが怖かった。
見捨てられるのが怖かった。
役に立たないと思われるのが怖かった。
だから私は、
先回りして気をつかって、
空気を読みすぎて、
期待を裏切らないように、必死だった。
「ちゃんとしてるね」
そう言われるたびに、
どこかほっとしていた。
でもそれは、
安心じゃなかった。
ただ、
怒られなかったというだけ。
捨てられなかったというだけ。
安心と緊張は、似ている。
静かにしていれば波は立たない。
我慢していれば嵐は来ない。
そうやって私は、
自分を小さくすることで、生き延びてきた。
でも今になって思う。
あれは性格じゃなかった。
弱さでもなかった。
甘えでもなかった。
ただ、
怖かっただけなんだ。
怖かった自分を、
責めなくていい。
怖がりながらも、
ちゃんと生きてきたんだから。
もし今、
また不安で動けない日があったら。
それは怠けじゃない。
心が、
「もうあんな思いはしたくない」と
守ろうとしているだけかもしれない。
怖かったね。
本当はずっと。
でも大丈夫。
今のあなたは、
あの頃より、
ずっと自由だよ。


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